生涯続けた修行

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諸国行脚

 円通寺で十年以上も厳しい修行を行った良寛は、三十三歳のときに、印可の偈を授かりました。それで修行は修了というわけではありません。道元の教えでは、修行は生涯続けなければならないのです。
 良寛は、国仙和尚が示寂したのち、円通寺を去って、托鉢をしながら、諸国行脚(あんぎゃ)を続けました。諸国行脚は全国の高僧を訪ね、問答して、悟りの境地を更に高めるための修行です。円通寺時代の後半にも諸国行脚は行っていましたが、円通寺を去ってからも、五合庵に定住するまで諸国行脚を続けました。そして、この後半の諸国行脚の間に帰国しました。帰国してからは越後を拠点にさらに諸国行脚を続けたようです。

托鉢

 托鉢も大事な修行方法です。諸国行脚の間はもちろん、五合庵に定住してからも、良寛は托鉢を毎日のように行いました。

山中草庵独居

 厳しい自然環境の山の中で、簡素な草庵に独居して生活することも重要な修行です。道元が雪深い永平寺で修行を続けたように、良寛も雪深い国上山の五合庵や乙子神社草庵で、人生の大半の期間にわたって修行を続けました。五合庵はいはば良寛にとっての修行道場だったのです。

只管打坐

 修行道場であった五合庵で、良寛は清貧に暮らすとともに、一日に何回も坐禅を行うという厳しい修行を続けました。ひたすら坐禅に取り組むことを只管打坐(しかんたざ)といい、道元のもっとも大切な教えなのです。