日本の現状

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日本の現状 │ 幸福とは何か │ 良寛の生き方が幸せへの道 │ 誤解されている良寛 │ 忘れ去られようとしている良寛 │ 野積良寛研究所のミッション │

 高度経済成長・グローバル化を経て、現代の日本人は大きく変わりました。自然と共生し、村の仲間や家族がともに寄り添い、お互いが助け合って生きていた農村の村落共同体を捨てて都会に移住し、自然とは無縁の工場や事業所に勤めるようになったのです。その世界は競争社会・格差社会であり、利潤増大を目標とする企業の業績向上のために、過労死すら厭わない企業戦士にされてしまったのです。日本の産業社会は自然環境を破壊し、資源を浪費する大量生産・大量消費・大量廃棄社会になりました。人々は大家族から核家族となり、親類縁者や近所の人たちとの絆は薄れ、一人暮らし高齢者が増加し、孤立死が珍しくなくなりました。経済的な豊かさを追い求めることに汲々とし、自己中心的・利己的な考えになって、困っている人々を助けようとする人はきわめて少数派になってしまいました。
 若者の首都圏への流出・過疎化・少子高齢化は今も進む一方です。地方では半世紀以上も過疎対策、地域振興、地域活性化に取り組んでいますが、いまだにその効果は見られません。
 その理由は、効率・生産性・利益を重視する経済社会の中、日本人は「欲望追求を積極的に肯定する利己的な行動原理」に基づいて生きているため、人・モノ・金・情報の集まる都会に住む方が、欲望の充足には適しているからです。
 グローバル化、巨大IT企業による支配、AI化が急速に進み、貧富の差の拡大、AIとロボットの普及による失業者の急増が避けられない状況下においてこそ、我々は生き方を変えてゆかなければならないのです。