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幸福とは何か
経済的に豊かな日本人は、なぜか幸福感をあまり持てないでいます。逆に経済的に貧しいブータンの人々の多くは自分は幸福だと感じています。
「幸福とは何か」は重要な課題であり、海外ではたくさんの学者がこのテーマを研究しています(参考文献『世界の学者が語る幸福』レオ・ボルマンス編 西村書店)。
しかし、日本人の多くは幸福はお金次第と考えている人が多いせいか、このテーマを研究している学者は非常に少ないのが現状です。
以前は、健康、家族、財産が幸福の条件と考えられていました。この3つは現在でもあった方が望ましいものではありますが、なくても幸福だと感じて生きている人がたくさんいます。多少病気がちでも、一人暮らしでも、貧乏でも、幸せだと感じて生きている人がたくさんいるのです。良寛さまもそうでした。
幸福になるための条件が4つあります。
【幸福の4原則】
1 交流 家族や友人、多くの地域住民と親密に交流する。
人とのふれあいは健康・長寿の最大要因でもあります。
2 親切 高齢・孤独・病気・障害・貧困などで困っている人がいれば、寄り添って親切に支援する。人間は集団で助け合って生活しているうちに、親切にすることに喜びを感じるように進化しました。
3 感謝 自分が支えられたり生かされていることに謙虚に感謝する。
4 夢中 ライフワーク・趣味・生きがいに没頭して夢中になる。ものごとに没頭しているときは、坐禅やマインドフルネスと同様に、脳内にシータ波が発生し、ストレスが解消され、リフレッシュします。
【幸福への道】
人間は都会に住んで物質的に豊かな生活を送るだけで幸福になれるわけではありません。
地方に住む人が都会と同じ「欲望追求を積極的に肯定する利己的な行動原理」のままでは、地方が所得や物質的な生活面で、首都圏との差を縮めることは永遠にできません。
首都圏よりも多少、所得、生活の利便性、刺激が少なくても、自然が豊かで人情の厚い地方に住んでいる人々が、「過度な欲望を自制し、自然や人間との共生をめざす行動原理」へと転換することで、自然と共生する持続可能な循環型社会を構築し、人と人とが助け合い支え合いながら生きていく、いわば、自然にも人にもやさしい生活に、自らを変えていくことが、本当の幸福への道なのです。